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頭の回転が遅いことは、弱みではなく強みになる。

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私は、頭の回転が遅くて、頭が鈍い方だと思っています。

一般的に、頭の回転がはやい人=頭がいい人と思われています。ですので、私は頭の回転が遅いことがコンプレックスでした。

でも、頭の回転がはやいことは本当に必要なのでしょうか?

頭の回転が早い人たち

大学3回生のとき、就職活動をする友達と一緒に、コンサルティングファームを目指す人が集まる勉強会に参加しました。グループ面接の練習会のようなもので、何か質問をされたら詰まることなくロジカルな説明を返す、というものでした。

講師役を勤めていたコンサル内定者の巧みな話術に「すごい!」と思うとともに、「自分にはこんなの絶対無理だ」と落ち込みました。

その後の懇親会でも、頭の回転がはやい人たちなので会話に入ることができず苦い思いをしました。

4-5人以上の集まりでは、頭の回転が早い人がどんどん会話を動かしていきます。

頭の回転が遅い私は、なかなかついていけなくて置いてけぼり状態になってしまったのです。

とどめは懇親会の帰りにコンサル内定者から言われた一言でした。

「君、もうちょっと積極的にしゃべった方がいいよ。」

胸が痛くて泣きそうでした。

頭の回転がはやいことの副作用

その後、文系就職はせず、研究室に配属されて大学院まで進んだわけですが、研究活動をするなかで「頭の回転のはやさって本当に必要なのか?むしろ深い思考の妨げになっていないか?」と思うようになりました。

実験をしていると、うまく説明ができないデータに出くわすことが往々にあります。論文や書籍を読んでいると、理解できない内容に出くわすことがよくあります。

頭の回転がはやい人は、分からないなりにもその場でもっともらしい説明をすることができます。

それはそれで素晴らしいスキルですが、思考がそこで終わってしまうことが多いようにみえます。

うまく説明できたことで自己完結してしまっているのだと思います。

頭の回転が遅い人は、問題を「解決済み問題」として終わらせない

頭の回転が遅い私は、その場ではうまく説明ができないのですが、煮え切らない思いから思考はその後も続きます。脳の中はめっちゃ気になっているわけです。

インターネットで調べたり、本を読んだり、紙に書き出してみたりします。それでもパッとしたヒントが得られず、疲れて一旦手を止めます。

ときどき思い出しては、ちょいと調べて、またやめます。

決して四六時中気になって思考しているわけではなくて、思考を寝かせてときどき思い出すような感じです。

頭の回転がはやい人にありがちな、解決済み問題として終わらせないわけです。

そうすると、後になってすっきり腹落ちするようになって、自分の言葉で説明できるようになるんです。

思考の棚上げ

これは「思考の棚上げ」というもので、様々な書籍でも触れられています。研究者の人は「思考の棚上げ」をうまく活用して日々考察を深めているのではないでしょうか?

https://punhundon-lifeshift.com/post-219

ニブイのも才能

森毅の『まちがったっていいじゃないか』を読んでから、頭の鈍さも才能だなという思いを一層強くしました。

“アメリカに、フリードリクスという数学者があって、頭のにぶさに関しては、世界的に有名である。そのことを知らない人が、数学の議論なんかしても、少しもわかってくれない。たしか代数学者と聞いてきたのに、もう年とってモーロクしたんかいな、などと思う。
ところが、それから二年ぐらいすると、その概念がジイサンにじわじわとわかってきて、もっとも本質的なところをつかんで、世界で一番わかっているのが、このジイサンになったりする。
してみると、ゆっくりとわかるのも、一種の才能のように思う。早わかりだと、どうも上すべりしてしまって、理解が底に達しないらしい。”

これからはコンテンツ黄金時代がやってくると言われています。

スピードよりも味わいのあるコンテンツを生む人の方が重宝される時代になると思います。

インプットをすぐにスムーズにアウトプットできる人よりも、頭の中に寝かせておいて、時間が経ってからいい味を醸し出すアウトプットをしたほうが喜ばれるようになるでしょう。

論文だってブログ記事だって同じだと思います。サクッと書いた文章なんて味わいがなくてつまらないものにしかならないと思います。

頭の回転が遅いからといって落ち込む必要はない

頭の回転の遅い・早いなんて一種の個性であり、いちいち気にする必要はないと思います。

自分の頭の回転にあった考え方をすればよいわけなので。

『まちがったっていいじゃないか』の同じ章に勇気づけられるフレーズが書かれていますので最後に紹介します。

“結局は、人さまざまに、ものをおぼえたり、なにかを理解したりするのに、タイプがあるようだ。これは別に、はしこくものごとを理解したり、いろんなことを頭にメモできる人間が悪い、と言っているのではない。そちらでなければならぬ、というわけではない、と言っているだけだ。
ただ、テストなどでは、早くわかったりおぼえたりするタイプがとくをする。しかし、そのことがひどくよいように思っていると、あとで失敗する危険がある、という点では損もしている。”

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