日々の仕事は仮説検証の繰り返しです。一次情報を得て、仮説を立てて検証する。そこから得られた情報を元に、次の仮説検証サイクルを回します。
私は、一次情報から仮説を立てて検証方法を考えるところまでが好きです。仮説を立てて、これが成立したら面白いだろうな、みんなにすげーって賞賛されるだろうなと一人ワクワクします。
一方、実際の検証作業はあまり好きではありません。根っからの面倒くさがりやで、手先が不器用なので、実際に手を動かすところは苦手なのです。
そういう特質からも、自分にはホワイトカラーの仕事が合っているなと思います。
メーカーの開発現場
メーカーでの研究開発も、仮説検証の繰り返しです。筋のいい仮説を立てることも重要ですが、仮説を検証するための知見やインフラを持ち合わせているかが、仕事を進める上で重要になってきます。
既存製品の改良であれば、現場に既にある知見とインフラで検証実験ができます。現場の人も慣れているため、特に不自由なく進みます。よく利用している外注先に委託することもできます。
製品試作もわりとスムーズにできます。基本的には量産ラインに流せばOKだからです。ボトルネックは工程の確保です。工場では日々製品を量産しているわけで、量産の合間を縫って試作を入れなければなりません。研究開発の立場としては、製品試作をやってもらえるような魅力的な開発品を実験室レベルで築き上げることが重要になります。
一方、全く新しい製品の開発になると話はかわってきます。検証実験をイチから考えないといけませんので大変です。外注に依頼するにしても、あらかじめ検証内容について細かく詰めなければなりません。その分野に詳しい人に話を聞いたり、現場のベテラン社員にアイデアを出してもらったり、ホワイトカラー自ら検証方法を考えたりと、脳をフル回転して知恵を絞ります。

データ分析のいいところ
打って変わって、データ分析の話です。
データ分析のいいところは、コンピュータが勝手に検証作業をやってくれるところです。誰かが手を動かさなくても、コードを書いて実行すれば、検証結果がすぐにフィードバックされます。検証実験や製品評価など検証に時間がかかるものに比べて、たくさんPDCAを回すことができます。結果的に、高速でアウトプットを生み出すことができます。
これって、製造現場や開発現場にデータ分析を導入するメリットでもあります。既存のデータをうまく分析すれば、検証に時間と手間をかけることなくアウトプットを出すことができます。当然、生データの欠損値を埋めたり加工したりといったデータクレンジングの処理が大変だとは思いますが、現場で長時間汗水垂らして作業する必要がないのは大きなメリットです。
逆に言うと
逆に言うと、データ分析の分野は誰でも参入が可能だということです。検証に特殊な知見、インフラを必要としないわけですから、当然、参入障壁は低くなります。
それでも、データ分析ができる人は少なく、引く手あまたの状況です。なぜでしょうか?
おそらく、世の中の多くの人が、プログラミングや数学に対して心理的に高いハードルを感じているところにあると考えています。一度やってみればそうでもないのに、一度もデータ分析を体験していない人は、データ分析を難物だと思い込んでいるはずです。私もそうでしたし。心理的な参入障壁の高さが、データサイエンティストがなかなか増えない主な理由だと思います。
私は、ツイッターの情報やProgate、Aidemyの学習を通じて、データ分析に対する心理的な障壁を越えることができました。データ分析の実力はまだほとんど身についていませんが、この障壁を越えられたのは大きなアドバンテージだと勝手に思っています。あとは、自分のモチベーションのままに学習を深めていきたいと思っています。

今の仕事で活かせなくても、例えば副業に活用できるかもしれません。繰り返しになりますが、検証に特殊な知見、設備を必要としませんから、一人で在宅で仕事ができるわけです。働き方の幅を広げる意味でも、データ分析の勉強を今後も続けていきたいと思います。
最近ではビジネス向けセミナーでも、機械学習や人工知能といった名前を銘打ったものが増えてきました。今後はより多くの人がデータ分析の世界に足を踏み入れることになるでしょう。