先日、風邪をひきました。風邪をひくと思考能力が低下しますので、どうしても昔の記憶に頼った対処法をしがちです。極端な話だと何も考えずに市販のかぜ薬を飲んでしまうとか。
ここでは、風邪のメカニズムに沿って対処方法をまとめたいと思います。
1)風邪のひきはじめ 〜体温の調整がうまくいかない〜
私の場合、体がなんとなくだるい、頭がぼーっとする、体温の調整がうまくいかない、といった症状が出ます。特に最後の「体温の調整がうまくいかない」がくると高確率で風邪をひきます。
先日は家族で回転寿司を食べにいったときに「店内が暑いな〜」と思ったのですが、それは自分だけだったんですね。
そのほか、手のひらが熱くて火照った感じになる、いつも通り晩酌すると顔が真っ赤っかになるのも風邪のひき始めのサインです。
とりあえず葛根湯
風邪のひき始めでは葛根湯がよく効くと言われ、私も一応飲んでいます。でも効果を実感したことは正直ないです。風邪をこじらせるときはこじらせますので。
2)風邪症状の勃発 〜悪寒、寒気〜
悪寒がやってきます。お風呂に入っても体が温まらなくてなかなか湯船から出られない状態。布団にもぐってもブルブル震えてとにかく寒い。体の節々が凝って痛い。
これらの症状は、身体が体温を上げて免疫を活性化させ、免疫細胞の攻撃力を高めようとしている証です。
とにかく体をぬくめる
こういうときは、寒気を解消して体温アップをサポートしてあげるのが良いと思います。私の場合は、布団に布団乾燥機の暖気を引き入れてこたつのようにして暖をとりました。布団の中が暖まった状態でしばらく横になっていると、身体が自然と熱くなって発熱がスムーズに進みます。悪寒もなくなります。
3)ウイルスとの攻防戦 〜体力の消耗〜
体温が38-39℃に上がると、ウイルスとの攻防戦が本格化します。体が全力でウイルスと戦っているため、体の負担が大きく、横になってもなかなか深く眠れません。脳も普段考えないような思考回路をたどっているようで、脳内疲労もなかなかのものです。
のどの腫れ、痛みが伴うこともあります。いわゆる「炎症」反応です。炎症とは、体が損傷を受けたときに起こる反応で、損傷部を取り除いて再生ようとするものです。ウイルスと戦っている証拠とも言えます。
ここは体温が下がらないように布団をかぶるなり厚着するなりして完全防備し、体内で免疫細胞がウイルスをやっつけてくれるのをじーっと待ちます。
エネルギーと水分を摂る
このステップでは体がいつも以上にエネルギーを消費するため、ご飯はたくさん、水分も多量に、そしてビタミン類もできれば摂るようにします。免疫細胞にエネルギーを明け渡すイメージです。
しんどすぎてヘトヘトになったら解熱剤を飲む
丸一日経っても熱が下がらず、体がヘトヘトでしんどいと感じたら解熱剤や総合感冒薬を飲みます。
解熱剤を飲むと体温が下がり、免疫細胞の攻撃力は一気に落ちてしまいます。が、高熱によるエネルギー消費を一時的に回避することができます。ウイルス退治は休戦し、ヒットポイントの回復にリソースを注ぐイメージです。
ただし、解熱剤に頼りすぎるといつまで経ってもウイルスを退治できないため、風邪が長引きます。
まとめると、その時々で自らの攻撃力を高めるのか、あるいは自らのヒットポイント(HP)を回復させるのかを決めて対処すればよいかと思います。
4)完全回復へまっしぐら 〜汗が出る〜
免疫細胞がウイルスをおおかたやっつけると、体は体温を下げる方向に動きます。もはや免疫細胞を活性化させる必要がないからです。
このステップではたくさん汗が出ます。体が発汗により体温を下げようとするからです。
体温が下がり、深い眠りにつき、目が覚めるといつものコンディションに戻ります。
5)風邪が治ったあとも続く症状 〜痰、咳〜
黄色い痰が出ます。痰は気道から分泌される粘液で、ウイルスと戦って死滅した白血球が混じると黄色く粘くなるようです。
それから、咳。咳は長く続きやすいです。ウイルスのような異物、痰を外に出そうとする反射反応なので仕方がないですね。
最後にお薬
痰切りの薬→よく処方されます。ムコダインとかカルボシステインといったものです。
抗生剤→ウイルスではなく細菌に感染したときに聞くもの。風邪の9割くらいはウイルスが原因なので不要な気がしますが、1割の可能性をつぶすためか、風
邪で弱った体に細菌が2次感染するリスクを考慮しているのか、理由はよく分かりませんが毎回処方されます。
解熱剤→頓服用に処方されます。ロキソニンとか。
その他→症状に応じて、炎症を抑える薬、鼻水や咳を抑える薬などが処方されます。葛根湯を出す病院もあります。