メーカーは名前の通り、製品を作る会社のことです。優れた機能を持った製品を開発し、量産化し、品質を担保させ、お客さんに買ってもらう、という一連の流れで生産活動を行っています。この工程のどの部分を担うにしても、製品というモノ(ハードウェア)と常に対峙しながら、日々の仕事をこなしていきます。
私もモノに向き合いながら日々仕事を進めてきました。ものづくりは現場が大切だとか、実物を見て一次情報を死守せよといったことは身をもって理解しているつもりです。
一方で、私はそんなにモノを作ることが好きではないなあと最近感じるようになりました。これじゃものづくりに携わるモノとして不適合かもしれない・・・とも思い始めています。
モノよりも成果物を見る方が好き
開発部門の場合、新しい製品を開発したら量産をする事業部門に受け渡します。事業部門への移管が、開発のゴールの一つでもあります。
自分が携わった製品が世に出るのは嬉しいですし、技術者冥利に尽きるところがありますが、それをまじまじと見たり、自分で作り込んでいくというのはそんなに好きじゃないんですね。
そして、品質を追求したり、不良率を下げたりといった活動にもあまり関心がありません。
現場に出てモノとにらめっこしながら仕事するより、オフィスでパソコン画面とにらめっこする方が好きなんです。開発の道筋を立てたり、アイデアを吹き込んだりするのは好きでも、それを実行に移すところは他人に任せたい。好き勝手言うな、ものづくりは現場が大事なんだと怒られそうですが、正直な気持ちを吐露するとそういうことなんです。
実物よりも、文章や資料といった成果物を作る方が好きです。ものづくりよりもコンテンツ作りと言ったほうが分かりよいかもしれません。作ったモノを見てニヤニヤするよりも、作った成果物を見てニヤニヤするタイプです。
ですので、プログラミングなんかもまさに私の好きな範疇なんですね。うまく動くアプリケーションができるとニヤニヤしちゃいますもん。これからの時代、必要とされているからという理由よりも、単純に自分の性に合っているからプログラミングを始めているんでしょうね。
ひたすらコンテンツを作る。ときどき外に出て、新しいアイデア、情報をつかむ
私は一人でひたすらPC作業をしてもそんなに苦じゃありません。現場で体を動かしたり、複数の現場を行ったり来たりするほうがしんどいです。動き回るのがめんどくさいと感じる性分も関係しているのでしょう。一人ひとしれずモクモクと作業して、ものすごいものを作っていくという感覚がすきです。
ただし、ずっと自分の世界にこもっていると外の世界に疎くなったり、つまらないコンテンツになってしまいますから、ときどき外に出掛けて情報をつかみたいですね。今の仕事で、違う業界の人としゃべったり、展示会や学会に足を運んで視野を広げるのと同じです。自分一人で思いつくことなんてしれていますからね。
こういう仕事だと、時間や場所を気にせず取り組むことができます。モノを介さないので、インターネットで完結できるところが魅力です。

どうやったら自分が作ったコンテンツを他の人に使ってもらえるか?
コンテンツを作る作業は、言ってしまえば今までの仕事のやり方の延長上にあるため、あとはいかに時間を確保してコンテンツを増産したり、プログラミングの知識を身につけるかが課題です。ここは本業(今の仕事)の傍らで副業的に進めています。
環境を整えることも課題です。職場から離れる、例えば家だと幼い子どももおりますし、なかなか集中モードに入れません。コンテンツ作成やプログラミング学習というのは集中してフロー状態に入らないとはかどりませんので、例えば土日の朝2-3時間に早朝オープンの喫茶店に出掛けて取り組むとか、家族と合意した上で環境を確保する必要があると考えています。
もっとも自分に足りてないのが、自分が作ったコンテンツを必要とする人に届けるというところです。
これまでの人生、基本的には依頼主から何らかの要請があって、それに応えるという仕事のやり方でした。はじめから受注ありきだったんですね。一方、コンテンツ作成とは誰かの要望を受けてするものではなく、自分の意思するものです。世の中に自分のコンテンツを欲している人はいると思いますが、そこへどうやって届けるか。このマーケティングの感覚が私には決定的に欠けています。
ここはとにかくトライアンドエラーを続けて経験していくしかないと思っています。いろんな差し出し方をして「市場」の反応を伺い、対応方法を軌道修正していく。会社生活ではなかなかできない作業です。
「叶え組」「being人間」の人は、やりたいことよりも状態願望をはっきりさせよう
これがしたい、っていう具体的なものは特にないのだが、こうありたいという状態願望はあって、そのために誰かの「これがしたい」に参画する。こういうタイプの人を、桜林直子(サクちゃん)は「叶え組」と呼び、北野唯我は著書『転職の思考法』で「being人間」と呼んでいます。
私はこの概念がとても好きで、自分自身が「叶え組」「being人間」だなと悟ったのもこのおかげです。
モノに対峙するよりも、PC画面とにらめっこしてコンテンツを作りたい。これが私の状態願望です。こういったコンテンツ、といった具体的な願望はありません。何かしら無形のコンテンツを自分のペースで淡々と作っていく状態が、私の望む姿です。
この半年で、自分の中でいろいろなことが変化していっております。
「叶え組」「being人間」の人は、やりたいこと探しではなく、今までの人生の中で、何をやっているときに楽しさや幸せを感じていたんだろうと振り返ることが、いい人生を後押しする方法です。仕事や家庭から離れて、ゆっくり考えてみて下さい!一人で故郷を訪れると、昔の感情がふと蘇ってきますのでおすすめです。
